現役漁師の想いとこだわりを届ける 大原漁港 現地試食会【船上活〆サワラ試食】夷隅東部漁業協同組合 大原港ひき縄研究会
「食」をテーマに、まちぐるみで「美食の街づくり」を進める夷隅郡いすみ市。
山海川の豊かな自然が育むいすみ市の農水産物は、品質が高いことで定評があり、中でも「いすみブランド」と呼ばれる食材は、厳正な審査のもとにいすみ市が認定した特に付加価値が高いもの。
今回ご紹介するのは、現役漁師さんとの交流を交えながら、いすみブランド「船上活〆(せんじょういけじめ)サワラ」を味わえる「大原漁港 現地試食会」イベント。
「船上活〆サワラ」の魅力をもっとたくさんの方に知ってもらおうと、夷隅東部漁業協同組合主催のもとに行われました。
会場となった「いさばや」は、いすみ市特産品の伊勢エビやマダコ、旬の魚を使った海鮮料理が楽しめる漁協直営のお店。
大原漁港の目の前に位置し、併設の直売所では大原港に水揚げされた魚介類が販売され、千葉ブランド水産物認定品やいすみブランド商品などを購入することができますよ。
千葉県内で飲食店を経営されている方を中心に、料理人や鮮魚バイヤーなど、25名ほどの参加者が集まりました。
満席となった会場で、夷隅東部漁業協同組合専務理事 川名由男(かわなよしお)様のご挨拶でスタート。
映像上映では、漁に出て実際に船の上で活〆を行う様子が映し出され、活〆の工程に加え、漁師さんが大切に魚を扱う様子や、手間をかけて丁寧に処理されていることが、十分に伝わる内容でした。
講演「食の学校~大原港ひき縄研究会 魚の鮮度維持の仕組みと処理方法について」
映像の後には、虹色こまち株式会社代表武政誠一(たけまさせいいち)による講演「食の学校~大原港ひき縄研究会 魚の鮮度維持の仕組みと処理方法について」
船上で活〆することのメリットを、科学的根拠に基づいてご紹介することで、映像で見た「船上活〆」をより深く理解していただけたのではないでしょうか。
講演「ひき縄研究会の取り組みについて」
続いての講演は、「拓永丸(たくえいまる)」中村享(なかむらとおる)様による「ひき縄研究会の取り組みについて」
大原港の漁師が抱えている課題、それに対する対策などを意欲的にお話しいただきました。
現役漁師さんの生の声は、とても説得力があります!
現役漁師による実演
実演していただいたのは、「鈴栄丸(すずえいまる)」漁師・齋藤俊一郎(さいとうしゅんいちろう)様。
この日獲れたばかりの船上活〆されたサワラをさばいていきます。
この日獲れたばかりの船上活〆されたサワラをさばいていきます。
完全に放血されたサワラは包丁を入れても血が出ず、まな板はキレイなまま。
エラ全体が薄いピンク色で、先端が白みがかっていることが、完全放血の証拠なのだとか。
齋藤さんの鮮やかな包丁さばき!さすが漁師さんですね!
さばく方もプロならば、見る方もプロなので、和やかながらも終始真剣な雰囲気が会場に漂い、食材と真剣に向き合うプロ意識の高さが感じられました。
実演中にも会場内からは様々な質問が出され、斎藤さんが一つ一つ丁寧に答えてくださったのが印象的。
試食で用意された4日前、2日前、そして当日の朝とれたばかりの船上活〆サワラ。
頭部に付けられたタグには、獲れた日時と船名が記され、どのくらい時間が経過したのか、だれがいつ獲った魚なのかが一目瞭然!
このタグは、漁師さんが責任をもって処理を行った証ともいえるんですよ。
漁師さんとの会話や、プロの料理人さん同士の会話もはずみ、船上活〆のサワラの味の違いを確かめながら、有意義な時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。
お土産に用意された1日前に取れたサワラは、大好評!
中には片道二時間半かけて来場された参加者さんもいらっしゃいましたが、来た甲斐があった!と声をかけていただき、大盛況のイベントとなりました。
「水産資源の減少」や「日本人の魚離れ」など様々な課題を抱える日本の漁業、いすみ市も例外ではありません。
こうした現状に「解決に向けて何かできることがあるのではないか」という熱い思いを持った漁師さんが集まり、2017年に「ひき縄研究会」が結成されました。
漁猟技術の向上や鮮度保持のための勉強会を開催するなど、日々努力を積み重ねています。
魚のプロフェッショナル達が、最上の品質を追求した「船上活〆」の技術は、徹底した品質管理によって、これまでの常識を覆す「品質」と「食材価値」を実現しました。
自然に恵まれ、最高の漁場を持ついすみ市は、まさに食の宝庫!「美食の街」から届けられる「船上活〆」は、漁師が食べて美味しい!と感じ、自信をもってお届けできる付加価値の高い魚です。
漁師が切磋琢磨して磨き上げた「船上活〆」技術は、これからの日本の魚文化の発展にとって、大きな架け橋となるのではないでしょうか。
船上活〆の動画はこちら
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