【鉄道ファン必見】千葉ローカル線ガイド!小湊鐵道・いすみ鉄道・銚子電鉄の楽しみ方

目次
走る列車はタイムマシン。千葉で昭和に出会う旅
首都圏からわずか1〜2時間。高層ビル群や複雑に入り組んだ通勤電車の世界を抜けると、そこには昭和の香りを色濃く残す“ローカル線の楽園”が広がっています。
千葉県には、小湊鐵道・いすみ鉄道・銚子電鉄といった、鉄道ファンなら一度は訪れたい路線が集結。ディーゼルカーがディーゼル音を響かせながら里山を走り抜け、季節ごとに変わる田園や花々が窓いっぱいに広がる光景は、乗ってよし・撮ってよし・食べてよしの三拍子そろった鉄道旅そのもの。
国鉄型車両の息遣いを感じられる小湊鐵道、急行型気動車を保存運行するいすみ鉄道、そして、ぬれ煎餅で注目を集める銚子電鉄。それぞれが独自の個性を持ち、鉄道ファン心を揺さぶる要素に満ちています。
今回の特集では、そんな「千葉ローカル線の魅力」を、歴史・車両・撮影ポイント・沿線グルメの視点から分かりやすくご紹介します。
小湊鐵道(五井〜上総中野・39.1km)
房総横断、国鉄型気動車が走る里山鉄道

市原市の五井駅から養老渓谷を経て上総中野駅まで走る、全長約40kmのローカル線。
1960年代製の気動車が今も現役で、昔ながらの雰囲気が味わえます。
春の菜の花や桜、秋の紅葉と車両の組み合わせは絶好の撮影ポイント。終点でいすみ鉄道とつながり、房総横断の旅が楽しめます。
歴史と概要
- 1925年開業。房総半島中央部を横断し、五井(内房線)と上総中野(いすみ鉄道接続)を結ぶ。
- 非電化単線で、昔ながらのローカル線風情を色濃く残す。
車両
- キハ200形気動車(1961〜1977年製)が現役。半世紀以上活躍し続ける姿は全国的に貴重。
- エンジン音、窓を開けて感じる風、国鉄型の座席配置は“昭和の鉄道旅”そのもの。
観光・文化
- 終点「養老渓谷」は温泉地として人気。ハイキング・紅葉狩りとの組み合わせが鉄板。
- 養老渓谷釣り堀センター「お食事処つりぼり」では、釣った川魚などを気軽にBBQで楽しめる。
撮影スポット
- 上総大久保駅周辺:春は桜+菜の花+赤いディーゼルカーの“三重奏”。
- 高滝駅付近:湖を背景に走る列車。水鏡に映る編成が狙える。
- 養老渓谷:秋の紅葉やライトアップが有名。




おすすめスポットはこちら!
いすみ鉄道(大原〜上総中野・26.8km)
国鉄急行型が生きる「動く博物館」

大原駅から上総中野駅まで走る第三セクター鉄道。国鉄時代の急行型ディーゼルカーが今も観光用に運行され、“昭和の鉄道旅”を体験できます。桜や大多喜城を背景に撮影できる名所が多く、沿線では伊勢海老や海鮮グルメも人気。イベント列車も充実しています。
歴史と概要
- 国鉄木原線を引き継ぎ、1988年に第三セクターとして誕生。
- 小湊鐵道と接続し「房総横断ローカル線」を形成。
車両
- キハ52・キハ28:国鉄型急行ディーゼルカーを保存・運行。昭和の急行列車を体験できる希少な存在。
- 通常運行は「いすみ300形・350形」など新型気動車。
- 急行「夷隅(いすみ)」やイベント列車も運行し、多彩な楽しみ方が可能。
観光・文化
- 大多喜城(戦国武将・本多忠勝ゆかり)、大原漁港の朝市など観光資源豊富。
- 沿線の伊勢海老料理、地元野菜を使ったレストラン列車などグルメ要素も強い。
撮影スポット
- 国吉駅付近:桜並木と列車のコントラストが美しい。
- 大多喜城と絡める構図:急行型車両+城は“歴史と鉄道”の象徴。
- 田園地帯のS字カーブ:国鉄急行色が映えるポイント。


銚子電鉄(銚子〜外川・6.4km)
走る鉄道遺産と“ぬれ煎餅”の物語

銚子駅から外川駅までの6.4kmを結ぶ日本有数の短い私鉄。レトロな車両と下町風景が魅力で、犬吠埼や銚子漁港とあわせて観光できます。名物「ぬれ煎餅」で経営を立て直したユニークな歴史を持ち、鉄道ファンにも親しまれています。
歴史と概要
- 1923年開業。日本最東端の私鉄で、全長わずか6.4km。
- 経営危機を乗り越えるため「ぬれ煎餅」販売で生き残った“奇跡のローカル線”。
車両
- 元京王・元営団地下鉄など中古車両が主力。レトロ感満載。
- デハ801形(旧営団銀座線)など、関東私鉄ファンに人気の編成も。
- 小さな編成が下町を走る姿は模型的で鉄オタ心をくすぐる。
観光・文化
- 銚子漁港では新鮮な海鮮料理が楽しめる。
- 梅雨時には「うめぇもん入梅いわし祭」が開催される。
- 犬吠埼灯台、君ヶ浜の海岸線散策と相性抜群。
- 車内販売や駅で買える「ぬれ煎餅」「まずい棒」など、鉄道グッズ的食品はオタク的にコレクション価値あり。
撮影スポット
- 君ヶ浜付近:海と列車の構図が狙える。特に朝焼け・夕焼け時が美しい。
- 本銚子駅:ステンドグラス駅舎。一度は訪れたいマニアックな無人駅。
- 犬吠駅:洋風駅舎と列車の組み合わせ。観光写真にも人気。
- 外川駅:木造駅舎がそのまま残り、昭和レトロな雰囲気。




乗って楽しい、撮ってうれしい千葉の鉄道旅へ!
国鉄型気動車が唸りを上げる小湊鐵道、急行型の記憶を今に伝えるいすみ鉄道、そして“ぬれ煎餅で生き延びた”銚子電鉄。
いずれも千葉だからこそ出会える鉄道文化遺産です。撮ってよし、乗ってよし、食べてよし──三拍子そろった千葉のローカル線は、鉄道ファンにとってまさに聖地。
まだ体験していない路線があるなら、今こそ足を運んでみては?