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地域に根ざす“健康づくりの場”を

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フジスポーツクラブ 代表・宮下 裕至 氏 インタビュー

千葉県内で子どもから大人まで幅広い世代が集う「フジスポーツクラブ」。
その教室では、技術だけでなく“自分で考える力”を育てる独自の指導が根付いている。
代表の宮下氏は、どんな思いでクラブを運営し、どんな未来を描いているのか。
クラブ設立の背景から教育観、地域への思いまで、じっくりと話を伺った。

子どもが自分で考えて成長できる場所をつくりたい

— スポーツクラブの代表となった経緯を教えてください。

宮下氏:
クラブはもともと前代表の時代から続いていたものを、私の代で事業承継しました。
引き継いだ一番の理由は、「日本の教育の課題をどうにかしたい」という思いがあったからです。

私が見るかぎり、日本では“自分で考えて行動できない子ども”が非常に多い。
その背景には、大人からの過度な圧力や、いまだに残る暴力・パワハラ的な指導があります。

子どもたちは「怒られないためにどうするか」ばかりを考え、自分の頭で物事を判断する機会を奪われてしまっているのです。
その状況を変えたいと思い、クラブを受け継ぎました。

■ 「体操は手段であり、目的は“考える力”を育むこと」

— スポーツで教育を変えるという視点が印象的です。

宮下氏:
スポーツは、身体を動かす中で“思考力”が自然と鍛えられる素晴らしいツールです。
特に体操は、自分の身体をコントロールしながら成功・失敗を繰り返す競技。
どうすればできるのか、自分で考えざるを得ない。

ただし、私たちの目的は決して「オリンピック選手を育てること」ではありません。
まだ幼い子が本気で五輪を目指すなんて、ほぼありえませんし、それを望むのは多くの場合“親のエゴ”である可能性が多いです。

スポーツは手段であり、目的は “自分の頭で考えられる子” を育てること。この軸は絶対にぶれません。

子どもたちの笑顔が、クラブの原動力

■ 「この仕事を続けていてよかった」と感じる瞬間

— 指導を続ける中で、特に印象に残っている出来事はありますか?
宮下氏:
普段あまり話さない子が笑顔を見せてくれたり、
反応が薄かった子が積極的に練習に取り組むようになった瞬間は、何よりうれしいですね。

なかには、教室に来てから友達ができ、自己肯定感が上がり、
高校生・大学生になって社会で活躍している子もいます。
その姿を見ると、「この仕事を続けていて本当によかった」と実感します。

■ 開放的な空間が子どもの思考力を育てる

宮下氏:
私たちが教室をできるだけ“広い空間”にしているのは、
単に快適さのためではなく、子どもの思考力や発想力を高めるためです。

家賃が高くても、広い空間には価値がある
閉塞感のある場所では、子どもの心はのびのび育ちません。

スポーツで人と人をつなぐ未来へ

■ プログラムと地域とのつながり

— 現在、どんな年代の方が通っていますか?
宮下氏:
幼児から成人まで幅広く通っています。
教室には一般クラスのほか、“選手クラス”もあり、志津教室には本格的に競技に取り組む子も在籍しています。
ただし、ここでも“思考力を育てる”という方針は変わりません。

— 地域との連携についてはいかがですか?
宮下氏:
地域の学校・自治体・企業とも積極的に交流しながら、
「地域の子どもを地域で育てる」という意識を大切にしています。

ためになる教育を地域で提供し続けることが、
フジスポーツクラブの存在意義だと思っています。

代表の人柄に迫る

■ 日々大切にしていること

— 習慣や座右の銘はありますか?
宮下氏:
“教育は自己保身のためにあるのではない”という考えを常に心に置いています。
指導者が自分のプライドや立場を守るために子どもを叱る——そんなことは絶対にあってはいけません。

子どもたちの未来のために、正しい言葉を正しいタイミングでかける。
これが私のモットーです。


— 最近印象に残っていることは?
宮下氏:
最近うれしかったのは、スタッフがクラブの理念を理解し、
同じ方向を見て指導してくれていると実感できたことです。

■ 休日の過ごし方・千葉への思い

— リフレッシュ方法は?
宮下氏:
バスケットボールを小5から大学4年まで続けてきたので、今でも体を動かすと気分が整います。

— 休日は何をして過ごされますか?
宮下氏:
休日は家族との時間を大切にしつつ、クラブの将来を考えることも多いですね。

— 千葉への思いを教えてください
宮下氏:
千葉は、私にとって「子どもたちが未来をつくる場所」。
この地域で教育を広めていくことに強い意味を感じています。

未来に向けた挑戦

■ 直近の目標は“20店舗”。正しい教育を広めるために

—— 今後挑戦したいことや目標は?
宮下氏:
直近の目標は20店舗 の展開を目指しています。
正しい教育を広めるにはある程度の数であること、社員にも長く働けるよう管理ポジションを増やす必要があると考えています。

また、スタッフ育成にも力を入れていて、
理念を共有するためのコンテンツづくりも始めました。
経営面では、仕組み化を進めて、指導に集中できる体制を整えています。

■ 実現したい未来とは?

宮下氏:
保護者の方には、ぜひ知ってほしいことがあります。
それは 「日本にはまだ不足している教育を、フジスポーツクラブが担っている」 ということ。

子どもは自分で考える存在。
過保護や過干渉は、子どもから成長の機会を奪ってしまいます。

私たちが行っているのは、欧米式でも最新トレンドでもありません。
試行錯誤を重ねる中で、現場から自然と生まれた“本質的な教育”です。

■ 子どもたちの未来につながるクラブでありたい

クラブでは、「悪口を言わない」「人の邪魔をしない」など、
人として大切なルールを守れない場合は、必ず注意されるような規約もあります。
これも“社会で生きる力”を学ぶために必要なことだと考えています。

勝利至上主義ではなく、怒号も暴力もない。
しかし、ただ優しいだけでもない。

正しい経験を積み、自律し、成績も伸ばせる『プラチナ』の教育。
これこそ、私たちが目指す理想の姿です。

■スポーツ版『プラチナ指導』とは?

・穏やかな雰囲気
・ノンストレス,威圧ゼロ
・喜びや感動を分かち合う
・勝利,成果に拘る
・科学的,運動の原則に基づく正確な指導
・子供の20年後を見据え正しいことを伝える
というようなことが中心です。

褒めるだけではなくその子にとって正しいことを伝えます。
指導者の技能や知識も必要になるハイレベルな指導です。
最近はプラチナ企業なる言葉も出てきておりますが、スポーツでもプラチナ指導を行うべきです。
これで成果を出し続け全国に普及していきたいと思います。
そして健全に成長する子どもたちを、たくさん輩出したいと思います。

地域の皆さまへのメッセージ

フジスポーツクラブでは、子どもたちが自分で考え、成長し、社会に出てから“自律して活躍できる人”になることを目標にしています。

スポーツは、そのための大切なツール。
ぜひ一度、クラブの空気を感じに来てください。
ここには、子どもたちの可能性と笑顔があふれています。

千葉虹色こまち編集部コメント

宮下代表のお話には、「スポーツを通して子どもたちの未来を支えたい」という強い情熱と、教育者としてのまっすぐな信念が感じられました。
体操という競技を“目的”ではなく“手段”としてとらえ、子ども自身が考え、気づき、成長していくプロセスを大切にしている点は、とても先進的でありながら、人間の本質に寄り添った温かい教育観でもあります。

取材中も、子どもたちへのまなざしは終始やさしく、そして真剣。
技の上達だけでなく、社会に出てから活躍できる“自律した人”を育てたいという言葉には、クラブを通して地域をより良くしたいという使命感が滲んでいました。

広くて開放的な教室、スタッフの皆さんが同じ理念で指導にあたる環境、そして「子どもを中心に置いた教育」
これらがフジスポーツクラブの魅力であり、子どもたちの笑顔が絶えない理由なのだと実感しました。

宮下代表が描く「正しい教育が広がる未来」
その第一歩が、この千葉の地から始まっていることを、編集部としても誇りに思います。
これからのクラブの発展と、地域に生まれる新しい“つながり”がますます楽しみです。

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