「勉強はエンタメ」未来へとつながる英語塾ento-新しい”地方教育”のかたち-
目次
千葉県内には、地域に根ざした教育者や小さな教室がいくつも存在しています。
そのどれもが静かな情熱を燃やし、目の前の子どもたちと真剣に向き合っています。
今回紹介するオンライン英語塾「ento(エント)」もまた、千葉を本拠地に活動中。
オンラインで“全国の過疎地域で学ぶ子どもたち”へ、教育の光を届けています。
「オンラインで英語を教えるだけの塾では終わらせたくない。」
そう語るのは、entoを運営する三好さん。
20年の塾講師経験と、退職後の旅で出会った“地方の現実”を真正面から受け止め、教育格差の根本に立ち向かっています。
そんな三好さんの原点から、entoが目指す未来までを紐解きながら、千葉から始まる教育の挑戦を追いました。
旅の途中で出会った“教育格差”という現実

三好さんは元々、千葉県内でも有数の進学塾で約20年間英語教師として勤務。
多くの生徒を難関高校や、地元公立高校合格へと導いてきました。
ふとあるとき、高校入試一筋の世界から離れ、異なる視点から世の中を見てみたいと決心。
進学塾を退職後、数か月かけて全国各地を旅します。
旅する中で地方を訪れ、実際に地方に暮らす子どもたちの教育環境を目の当たりにしました。
都市部とは異なり、残念ながら地方では教育環境が整っていない現状があります。
三好さんがショックを受けたのは教育格差そのものもですが、それを当然のように受け入れる子どもの姿でした。
(三好さん)
「地元にある高校へ進む。それが悪いわけじゃない。
でも、“そこしか選べない”という状況は、本当に子どもたちにとって幸せなのだろうか?
もったいない、と強く思ったんです。」
学びの環境が乏しければ、視野は自然と狭まり、可能性を自分で見つける機会も損なわれる。
そうした問題意識は、やがて三好さんの中で強い確信へと変化するのです。
(三好さん)
「日本は少子化で停滞している。
だからこそ、正攻法は“教育”しかない。
地方の子どもたちの視野を広げることが急務だと思った。」
この体験・想いから三好さんはentoを立ち上げることにしたのです。
塾名「ento」に込められた、未来への願い
“ento”という名前には、三好さんの想いが幾つも折り重なっています。
- en:Education(教育)
- en:Entertainment(楽しさ)
- en:ご縁
- en:遠い場所(local)
- to:Together(共に)
- to:To the future(未来へ)
(三好さん)
「場所は遠くても、気持ちのご縁でつながり、教育を通して未来へ向かっていきたい。
オンラインだからこそできるコミュニティを作りたいんです。」
子どもたち、保護者、地域、そして三好さん自身。
それぞれの“縁”が結びつき、新しい学びの場が生まれていく。
entoという名には、そんな願いが丁寧に込められているのです。

LIVEにこだわる理由——“心が動く授業”こそ本物の学び

entoはオンラインの英語塾ですが、授業はすべてLIVEで行っています。
これは創業以来、一度も譲ったことのないこだわりです。
画面越しであっても、生徒の表情の変化・沈黙・笑顔・悔しさ・発言の熱量——。
そうした“生の感情”を見て、触れて、感じながら授業を進めることが、英語の習得には欠かせないと三好さんは考えているからです。
(三好さん)
「雑談で笑わせ、競わせ、褒めてあげる。
その瞬間の空気こそが、子どもたちの“やる気”をつくるんです。」
さらに、三好さんは「まずは自分を好きになってもらう」と語ります。
(三好さん)
「英語が嫌いでも、勉強が嫌いでも、『三好の授業なら行く』と思ってもらいたい。
人を介して学ぶ喜びが、勉強の入り口になるんです。」
この三好さんの想いこそが、オンラインで起こりがちな一方通行の学びを防ぎ、温度のある学びを可能にしているのです。
参考書には載っていない“生きた英語”を伝える

entoの授業は文法を基盤にしていますが、ただ試験対策のためだけではありません。
「未来につながる英語」を重視している点が特徴です。
例えば、中学1年のある単元。
「現在形」と「現在進行形」の違いを学ぶ場面で、三好さんは必ずこの例を出します。
例文:私はentoで働いています
正→I work at ento.
誤→I am working at ento.(今この瞬間働いている最中というニュアンスになる)
~三好さん
「日本語訳を元に英語を習得しようとすると、こういった間違いをしてしまうことがある。
正確なニュアンスで英語を使えるよう、LIVEで体感しながら学べるようにしています。」
さらに、このような教科書では教えてくれない例を挙げながら、三好さんは授業を進めていきます。
I love you(ずっと愛している)
I’m loving you(一時的に愛している)
(三好さん)
「入試英語も大事ですが、“未来で使える英語”が身につく授業でなければ意味がありません。」
この三好さんの哲学こそが、多くの生徒の意識を変え、英語を学ぶ姿勢そのものを成長させているのでしょう。
偏差値40→70へ。子どもの可能性を開いた“分析の力”

三好さんがentoで出会った中で、特に印象深い生徒のエピソードを教えてくれました。
その生徒は入会時、英語の偏差値は40前半。
英語は好きでも得意でもありませんでした。
その理由は本人の能力が問題ではなく、”勉強の仕方”にあったのです。
(三好さん)
「全部が苦手ではなかったんです。
文法なのか、リスニングなのか、読解なのか。
どこが苦手かを把握していなかっただけ。」
三好さんはまず、その生徒の弱点の分析から始めました。
正しい勉強法を伝え、分野ごとの伸びを可視化することで、生徒本人が“成長実感”を得られるようにしたのです。
すると、成績は少しずつ上がり始め、最終的に偏差値は70にまで達しました。
(三好さん)
「子どもは、本来伸びる力を持っている。正しい方法さえ伝われば、未来は変わる。」
この成功体験は、entoが大切にしている「自走できる学力」を象徴しているといえるでしょう。
保護者との丁寧なコミュニケーションが、安心を生む

オンライン専門の学習塾は、保護者にとって不安がつきもの。
だからこそ、三好さんは入会前に必ず保護者へ直接連絡を入れることを徹底しています。
(三好さん)
「画面越しのやり取りだからこそ、細かい点まで説明し、安心して任せてもらえる環境をつくりたい。」
保護者と指導者が同じ方向を見ることが、子どもの成長には欠かせません。
こうした姿勢が、entoへの信頼を自然と生み出しているのです。
“千葉から地方へ”という視点——地域の教育に対する想い
千葉を拠点としながら、全国の子どもたちに授業を届けるento。
その原点には「地方の子どもたちが、自分で進路を選べる力を育てたい」という強い想いがあります。
(三好さん)
「大学や社会に進んだときに苦しむのは本人。
だからこそ、高校入試という最初の岐路で“自分で選べた”という成功体験を持ってほしい。」
千葉にも都市部と郊外の教育格差は確かに存在します。
だが、オンラインを使えば、地域の壁は軽々と越えられるはず。
(三好さん)
「地方の子どもたちの学習拠点はento——そう言われるようにしたい。」
entoは“地域に根ざしながら、全国へ開かれた塾”として、千葉から新しい教育のかたちを発信していきます。
テクノロジーで学びを加速させる

オンライン授業に加え、アーカイブ動画や課題解説もentoでは行っています。
生徒は復習に自由に使え、保護者も学習状況を確認しやすいと評判です。
(三好さん)
「AIやテクノロジーは、学びの幅を広げるための道具。
でも、人の温度を感じるLIVEの価値は変わらないんです。」
便利さと温度感、その両方を大切にしているのがentoの強みなのです。
“地方のコミュニティ”をつくりたい——entoの未来
三好さんが今後挑戦したいのは、地方の子どもたちがオンラインでつながる学習コミュニティづくり。
(三好さん)
「オンラインは、時間と空間を軽々と飛び越えるツール。
地元にとどまっていると見えない世界を、子どもたちに知ってほしい。」
それは単なる勉強会ではなく、地方同士が互いに刺激し合い、夢を共有し、励まし合えるような場所。
“志の高い子どもたちが育つ場”それこそが三好さんの描く未来なのです。
勉強はエンターテイメント

(三好さん)
「勉強は“やらされるもの”ではなく、エンターテインメントです。
大人こそ学び続けないといけないし、学びは本来、楽しいものなんですよ。
高校入試は、自分で未来を選ぶ初めてのチャンス。
そのチャンスをつかむために、entoで“学ぶ尊さ”を知ってほしい。」
おわりに——千葉から始まる、静かな教育改革
entoは決して、規模の大きな塾ではありません。
しかし、そこには圧倒的な情熱と、子どもたちへの誠実な眼差しがあります。
千葉に根をおろし、地方の子どもたちへ光を届け、未来へと伴走する。
その姿勢は、教育の新しい可能性を静かに、しかし確かに示しているのです。
教育で地方の未来を変える。
オンラインで子どもたちに選択肢を与え、自走できる学習力を身につけてもらいたい。
その挑戦は、千葉から全国へと広がっていくことでしょう。