御神水と獅子舞が息づく、富津の地に根ざす古社

千葉県富津市鶴岡に鎮座する古船浅間神社。朱塗りの社殿と深い杜に囲まれた姿は、どこか荘厳で神秘的。創建は浅間信仰の要として富士山浅間の分霊を祀って始まり、地域の守り神として長く人々の心に刻まれてきました。

霊水と称される「御神水」

崖の地下から湧く清らかな水が古船浅間の地で長年愛されてきました。現在は境内の井戸でくみ取っており、公的検査でも飲料適合。マイボトルに詰めて持ち帰る人も多い、地元名水として知られています。

樹齢300年超！御神木の大銀杏

参道の石段を挟むように並ぶ二本の大銀杏は、樹齢約310年以上。高さ24.5m、幹周5.7m／3.4mという巨木は、季節で色づく葉と共に、訪れる人に生命の力強さを教えてくれます。

文化財にも指定される見事な社殿

本殿は三間社流造り、銅板葺で1770年建立。虹梁や斗栱の精巧な工法と龍の彫刻は、江戸中期の技巧を今に伝える貴重な建築として、富津市の文化財に指定されています。朱と黒の色彩コントラストが美しく、格式を感じさせます。

心躍る「羯鼓舞」の獅子舞神事

毎年7月の第一日曜日に行われる例祭では、地元保存会による伝統の獅子舞「鞨鼓舞（かっこまい）」が奉納されます。雨乞いや五穀豊穣を祈願するこの舞は、雌雄の獅子や子どもたちの舞が約2時間にも及び、地域の“心の源流”を感じさせます。

🧭 アクセスと参拝のヒント

項目	内容
所在地	千葉県富津市鶴岡474
アクセス	館山自動車道・富津中央ICより車で約2分／JR佐貫町駅から車または徒歩20分程度
駐車場	境内に十分な無料スペースあり
御朱印・参拝	常駐の宮司は不在気味。社務所で御朱印は確認をおすすめ

💡 こんな人におすすめ

• 名水を訪ねる旅好き：御神水の湧き出す社での水汲み体験は、ひと味違う観光体験に
• 巨木・古社ファン：300年の銀杏、大ぶりな鳥居、歴史ある社殿が好きな方
• 郷土芸能に触れたい方：地元保存会の獅子舞を間近で見て、地域文化に包まれたい人
• 静かに心を鎮めたい人：観光地の喧騒から離れ、深い杜と社殿で一息つきたい方

古船浅間神社は、荘重な社殿と湧き水、獅子舞という“地域の記憶”が重なり合う場所。
透明な御神水をくみ、銀杏の新緑や紅葉を仰ぎ見る。灯篭の下を歩き、ゆるやかに舞う獅子の足音に耳を澄ませば、ここには日本の“根っこ”があると、そう感じられるはずです。