0からの挑戦。就労支援事業の想いを語る。
安定した仕事を退職し、異業界の就労支援事業に挑戦。
市原市で就労支援といえば、「flap(フラップ)」と言われる存在になりたい。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」と語るのは、合同会社ヴァンガードの代表 小出 誠さん。
事業に対する”想い”をお聞きしました。
人の役に立てていると、実感できる仕事がしたかったから
もともとは建設土木系企業の社員として、技術職に就いていました。高速道路の維持管理などに携わっていたので、誰かの役には立っていたと思います。とはいうものの自分の努力が具体的に誰のために、どのように役立っているのか。
その実感を味わうことができず、もやもやする日々を過ごしていました。
次第に、「誰のために役立つのか明確な事業」を立ち上げたいと考えるようになり、
新たな挑戦は、地元である市原市を拠点とするのが良いのではないだろうか。
これまでお世話になってきた地元に貢献できる仕事とは何だろう。
そんなことを検討している中、福祉の世界を知る機会がありました。
障害のある方の力になりたい、障害福祉の仕事が自分に合っているのではないかと思ったことがきっかけです。
実際に福祉の現場に足を運んでみたいと思い、富山県と神奈川県の障害福祉事業所を見学させていただきました。障がいのある方はどのように生計を立てているのかなど、障害福祉についてお話をうかがいながら、利用者さんの活動を目の当たりにすることができました。
利用者さんそれぞれが明確な目標を持ち、日々頑張って活動していることに、とても刺激を受けました。
このような活動場所を市原市に作りたい!そう直感的に思い、事業所を立ち上げることにしました。
地域に根ざした支援プログラム「就労支援A型」とは
「就労継続支援A型とは
“ 一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行います。”(厚生労働省HPより引用)」
A型サービスを提供する事業所の第一の目的は、「一般就労にステップアップするための場」を提供すること。
この事業なら、自分のやりたかった「人の役に立てていると実感できる仕事」として、地元に貢献できるのではと確信し、就労継続支援A型事業所を地元の市原市で開業することに決めました。
就労継続支援A型事業所flapの開業
2022年7月、市原市に「就労継続支援A型事業所flap」を開業。
事業所に通う利用者Aさんと当事業所の取り組みをご紹介します。
障がいがある利用者 Aさん (20代 男性 精神3級)
Aさんは人の感情を敏感に感じ取りやすく繊細で、軽度の知的障害があります。
小学校・中学校時代は不登校気味、周囲からは学力の遅れや注意不足等を指摘されていました。
ASD・ADHDとの診断を受けています。
通信制の高校を卒業後、いくつかの職に就きますが3ヶ月以上続きません。その後、父の薦めで障がい者高等技術専門学校に入校し、PCスキルを習得しました。
相手を言い負かしたい、口で負けたくないと思っているところがあり、
指導員からの指摘を素直に受け入れられず、イライラして言い返してしまうときが多々あります。
具体的な支援内容
Aさんへの具体的な支援として、flapでは下記の内容に取り組んでいます。
・本人、相談員、社長、サービス管理責任者(以下「サビ管」)で面談を行う。
・自己自認の時間を作り、改善策を自ら考え案を提出する。
・サビ管と一つ一つ確認しながら『自己改善シート』を作成する。
・定期的に振り返る。
・イライラ行動が出たら、本人にイライラしていることに気付いてもらう。
・支援するスタッフ全員がイライラと向き合い、利用者さんに寄り添った支援ができるよう声を掛け合う。
取り組みの結果、イライラを表現する回数はかなり減り、誰かに強い言葉をぶつけることがほぼ無くなりました。
何かに困ると怒るのではなく、周囲の人に何に困っているのかを伝えられるようになってから、他者との関係性も改善しました。
このように利用者さんに最大限寄り添う環境がflapにはあります。
そして、利用さんと時間を共有する中、次第に「一般就労への移行」を支援するのはもちろんのこと、併せて「A型事業所内で継続勤務」する形態を選択肢の一つに追加したいと考えるようになりました。
お弁当事業のスタート
「A型事業所内で継続勤務」する形態の選択肢として、企業向け宅配弁当「しあわせのお弁当 まこ屋」をオープンしました。
管理栄養士監修のもと、「美味しく安心、安全なお弁当」を利用者さんとともにお店で手作りしています。
彩り豊かな7種類のおかずが入った日替わり弁当をはじめ、バラエティーに富んだお弁当はどれも好評で、中でも産地にこだわった食材を使ったご当地メニューは人気商品です。
配達費用が基本無料という点でも、地元の方から重宝されています。
一般就労を目指せる能力を有する人材は一般就労を目標に掲げるべきですが、それが適切でないケースもあります。
一般就労したものの、勤務を継続できず不本意な結果に至る可能性も否めません。
後者の人材にとってより良い選択肢を提案することは、今後大切になってくることでしょう。
flapは、利用者様一人ひとりが得意なことを生かし、楽しく長く働き続けられるよう全力でサポートしていきます。
企業向け宅配弁当 しあわせのお弁当 まこ屋
https://gluseller.com/lp/makoya
地域とのつながり
市原市役所でお弁当販売を行ったり、上総いちはら国府祭りに出店し、唐揚げ、ピザ、冷凍フルーツなどを提供させていただきました。
このような取り組みが功を奏し、企業様から数多くのお弁当のご注文をいただいております。
また市原商工会議所主催のビジネスコンテスト”市原未来創業プロジェクトビジネスオーディンション”に参加させていただき、「市原で障がいがある方が、活躍できる場所を増やした!」を発表、グランプリを獲得することができました。当事業所のような取り組みが社会でも求められているということを、再認識できた結果となりました。
今後の展望
わたしは、flapの従業員、利用者さんを誇りに思っています。
この地域にflapがあって良かった。障がいがある人やそのご家族、特別支援学校などにお子さんを通わせているご家族が「flapがこの地域にあって良かった」
と思ってもらえる事業所にしたい。
これが私の願いでもあり、やらないとならない使命だと思っています。
会社概要
会社名:合同会社ヴァンガード
所在地:〒290-0022千葉県市原市西広6丁目4-49
電話番号:0436-98-5780
FAX:0436-98-5785
代表者:代表社員 小出 誠
設立日:2021年5月7日
HP:https://flap-chiba.com/