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銚子電鉄の各駅を歩いて巡る旅。周辺おすすめスポットもご紹介(銚子駅~笠上黒生駅)

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銚子電鉄の各駅おすすめスポットへ

千葉県銚子市を走るローカル鉄道「銚子電鉄」

銚子駅と外川駅の間を走る全長約6.4kmの短い路線で、昔ながらの漁師町の風景が残る外川駅まで約20分の電車旅が楽しめます。

今回は銚子電鉄すべての駅を歩き各駅の名所や観光スポットを巡ってみたので、ぜひ旅の参考になればうれしいです。前編では銚子駅~笠上黒生駅までの5駅をご紹介します。

それでは行ってみよー!

銚子駅エリア

・銚子駅

千葉県の入口、JR市川駅からJR銚子駅までは約2時間。JR千葉駅で総武本線(銚子行)に乗り継げば、あとは終点までゆったりとくつろげます。

一番前と後ろの席にはボックス席があり、旅気分が味わえるのでおすすめです。本を読んでもよし、寝てもよし。ぜひ電車旅ならではの時間をお過ごしください。

・イシガミ 駅前店の自動販売機

駅目の前の「イシガミ 駅前店」でおもしろい自動販売機を発見…!

銚子名物ぬれ煎餅のほかチキンカレー、ゆで落花生など、なかなかの顔ぶれです。

ぬれ煎餅が看板商品のイシガミ駅前店は10時~19時までの営業。営業していない時間帯でも銚子名物が手に入るユニークな自動販売機、必見です。

・妙福寺

銚子駅から銚子電鉄沿線「仲ノ町駅」へ少し歩くと見えてくる「妙福寺」は「妙見信仰」と共に歴史を重ねてきたお寺。

妙福寺では毎年4月下旬~5月初旬にかけて藤棚を見に訪れる人で賑わいます。

約8000坪に及ぶ境内には4つの藤棚があり、内1つは樹齢約740年という長寿。根元が龍の寝ている姿に似ていることから「臥龍の藤」と呼ばれています。

・しょうゆ味わい体験館

妙福寺からわずか2分ほど歩いた先には「しょうゆ味わい体験館」があります。

銚子は江戸時代からしょうゆ作りが盛んな町で、今でも市内では、小倉醤油、宝醤油、ヒゲタ醤油ヤマサ醤油がしょうゆを製造しています。

とくにヒゲタ醤油とヤマサ醤油の名が知られ、街中でその看板を目にすることも多いのではないでしょうか。

撮影場所:観音駅

「ヤマサ醤油株式会社」が運営する、しょうゆ味わい体験館では完全予約制で工場見学が可能。

事前にweb予約ができ、工場見学センターのガイドさんと一緒にしょうゆ作りの過程を体験します。

見学時間は約1時間、無料の工場見学ですが、お土産にはしょうゆがもらえるという嬉しい特典つき。

見学する時間がない方でも手前にあるお土産屋さんや体験館は自由に出入りできます。

創業者初代・濱口儀兵により銚子にしょうゆが持ち込まれたとされるヤマサ醤油の歴史的資料や昔のしょうゆ造りに使用した道具の展示スペースなど、しょうゆについて詳しくなれる展示が展開されています。

入り口付近には醤油ききみ体験コーナーを併設。「普段使っている醤油はどれに近いのか」「これは〇〇の料理に合うね」など、ぜひ味比べしてみてください。

しょうゆ味わい体験館に来たら、ぜひ味わってほしい「しょうゆソフトクリーム」

ミニサイズは300円(税込)でちょうどよいサイズ感、醤油×ソフトクリーム…なかなか想像がつかない味かもしれませんが、なぜか絶妙にマッチしていて癖になるおいしさです。

しょうゆの深いコクとほどよい甘さは、普通のソフトクリームよりもあっさりとしていてむしろ食べやすい。

ワッフルコーンなのも嬉しいポイントです。

お土産屋さんではお馴染みのヤマサ商品をはじめ、オリジナル商品、ここでしか買えない限定アイテムなどが目白押し。

工場見学をした後に立ち寄ると、よりいろいろなものが欲しくなってしまいます。

ぜひ時間に余裕のある方はまるっと全ての施設を体験してみてくださいね。

仲ノ町駅エリア

・仲ノ町駅

しょうゆ味わい体験館から約5分、木造建築の駅舎が味わい深い「仲ノ町駅」にたどり着きます。

銚子電鉄の本社がある駅で、2017年にはクラウドファンディングを募り県立銚子商業生さんの手で駅舎の修繕を行われました。

銚子駅~仲ノ町駅:徒歩約10分・電鉄2分

・銚子電鉄 仲ノ町車庫

この駅の醍醐味は、駅の隣に車庫が設置されており実際に見学できること。以前は入場券150円で自由に見学できましたが、2025年4月1日より事前予約制(有料:1,000円)に変わったので注意が必要です。

見学予約はHPにて約1カ月前から1週間前まで受付しています。

見学予約をしていなくても、いつでも旧車両などは停まっているので線路沿いからでも眺められます。

また銚子電鉄の各駅舎には癖の強い看板やおもしろいものが展示されているので、電車好きや銚子好きにはたまらない沿線です。

踏切の奥、ひと際存在感を放つのはヤマサ醤油工場の一部。

このあたり一辺、醤油の香ばしい香りが漂っています。銚子の町並みと醤油は切っても切れない関係ということが窺えます。

観音駅エリア

・観音駅

仲ノ町駅の次の停車駅は「観音駅」

かつて駅にて、名物のたい焼きが買えたことで観光客が多く訪れていました。

1976年から営業を開始しファンも多かった、たい焼き。残念ながら2017年に閉店してしまいましたが、犬吠駅にてかつての味を復活させ、さらにはレシピが改良され販売されることになりました。

仲ノ町駅~観音駅:徒歩約10分・電鉄2分

印字が薄くなってはいるものの、かつてのたい焼きの看板は大事に残されています。

観音駅は無人駅ですがホーム後ろ側は、なんとも賑やか。

銚子電鉄とコラボした「岩下の新生姜」などの展示品が飾られておりインパクト大。

列車の待ち時間にちょっとクスッと笑える駅舎です。

・福屋

観音駅から海側に向かうこと約4分、こちらの「福屋」も銚子では有名なお煎餅屋さんです。

銚子といえばぬれ煎餅のイメージですが、こちらのお店では市内に2軒のみの手焼きの炭火焼き煎餅を扱っています。

一番人気は「ざらめ」、備長炭の炭火による焼きたての生地に秘伝だれをサッとつけ、最高級のざらめ砂糖をたっぷりと纏わせた一枚。しっとりやわらかいのに、サクッとした食感に仕上がっています。

炭火ならではの香ばしさが病みつきになる…とリピーターが多いお店です。

・観音食堂 丼屋 七兵衛

観音駅周辺は人気のランチスポットが犇めくエリア。

今回やってきたのは鮮度抜群な青魚が味わえる「観音食堂 丼屋 七兵衛」

こちらは朝10時から17時まで一律のメニューが提供されます。ランチタイムは14時までという飲食店が多いなか気軽に食べに行けるのがありがたいお店です。

店内はカウンター席、テーブル席あわせて22席。おひとり様も入りやすい雰囲気です。

現在予約は行っておらず休日は行列ができることもしばしば。提供スピードは速く回転率はいいので、開店前に並べばそこまで待たずに済みそうです。

この日は金曜日の朝10時に到着。先客はおらず平日なら待ち時間はほとんどないそうです。

お目当ては「極上さば漬丼(定食)」1800円(税込)!

定食にはつみれ汁、小鉢、香の物がつきます。

銚子は青魚の水揚げが盛んな地域で全国トップクラスの水揚量を誇っています。とくにサバやイワシは旬の時期になると各飲食店でお祭りが開催されるほど。

サバは毎年11月中旬ごろから旬を迎え、1尾800g以上の特大のさばは「極上さば」と呼ばれます。

そんな極上さばが贅沢に盛られた究極の一杯。

食べた感想としては「今までのサバと全然違う…」、サバに対する味の印象が全く違いました。

青魚特有の臭みがないのは前提として、脂乗りが段違い。サバといえばしめ鯖をよく口にするので、そもそも脂がない。しかしこのサバは一切れ口に入れると、ほどよい歯ごたえとっともに上質な脂がとろけだします。

漬けタレもちょうどよい塩梅。青魚の臭みを抑えて旨みを引き出す「特許製法の塩ダレ」と、江戸時代の多彩な食文化を生み出した伝統の「濃い口醤油」で仕込み、無添加にこだわった調理法で仕上げているそうです。

まさかサバに対して濃厚と感じる日がくるとは…。港がすぐそばになければ出せないクオリティ。

丼は一見小ぶりかと思いきや、中からサバがどんどん出てきます。白髪ねぎやカイワレ大根、海苔、ワサビなどの薬味がいい味変になります。

ちょっと欲をいえば最後にお茶漬けで〆られれば最高だなと感じました。

つみれ汁はイワシの旨みが凝縮された一杯で、香の物はほどよい塩加減。

お腹も程よく満たされる大満足の定食でした。

いよいよ来月からは「入梅いわし祭」が開催されます。HPにて情報が解禁、予約ができるのでチェックしてみてください。

期間:6月1日(日)~7月29日(火)

最後にはカステラが提供される嬉しいサービス付き。

実はこちらのカステラ…

・つる弁

2軒お隣にある「つる弁」さんのカステラ。150年以上続く老舗のお菓子屋さんです。

カステラはしっとりとした食感と芳醇な卵の風味のなかに蜂蜜がフワッと香ります。
焦げ目のザラメが香ばしい長崎カステラは「切り落とし」が人気で、すぐに売り切れてしまうのだとか。

ぜひ七兵衛とあわせて立ち寄ってみてくださいね。

・圓福寺 観音堂(飯沼観音)

七兵衛から歩いて5分ほど。観音駅周辺でもひと際目立つ「圓福寺 観音堂(飯沼観音)」は、坂東三十三ケ所観音霊場二十七版札所で、本尊は十一面観世音菩薩。

銚子の繁華街や商店街は、飯沼観音を中心に形成され門前町として繁栄したそうです。

平成21年(2009)には、新たに五重塔が建立。

総高33.55メートルにも及ぶ千葉県唯一の五重塔で銚子のシンボルとなっています。

『飯沼山観世音縁起絵巻』には神亀五年(728)の記述がありその歴史の長さが窺えます。

「ちょうしのかんのんさま」として親しまれている飯沼観音では、毎月18日の縁日が復活し多くの参拝者で賑わいをみせています。

また毎月8・18・28日/土曜日、日曜日はライトアップが行われ、いつもとは違う雰囲気の幻想的な本堂や五重塔が拝観できます。

正徳元年(1711年)に造立された一丈七尺(約5.4メートル)の阿弥陀如来座像は、第2次世界大戦時に受けた機銃掃射の跡が膝に数ヶ所残されています。

・元祖 今川焼 さのや

圓福寺を抜け坂を下ると見えてくる「元祖 今川焼 さのや」

明治40年(1907)から長きにわたって親しまれている今川焼専門店です。外観からは焼いている様子が見られ食欲をそそります。

今川焼は黒あんと白あんの2種類で1個170円(税込)。はじめて購入した方はそのボリュームに驚くそうです。ずっしりとした重量感で中には溢れんばかりのあんこが詰められています。

甘さ控えめで、くどくないのでペロッと食べられます。

来た道を振り返れば、さのやのバックには坂道の上にそびえ立つ五重の塔が見られます。

まるでタイムスリップしたかのような懐かしい風景に心が安らぎます。

本銚子駅エリア

本銚子駅

続いてやってきたのはお隣「本銚子駅」

2017年に日本テレビ系列「24時間テレビ~愛は地球を救う~」でタレントのヒロミさんによる「オンボロ駅を直そう!」というコーナーで、駅舎や手すりを24時間で改装する番組が放送されました。

観音駅~本銚子駅:徒歩約13分・電鉄2分

駅舎を引きで見るとよりノスタルジックな風景に。ちょこんとした無人駅の周りには木が鬱蒼と茂り、それがまた唯一無二の雰囲気を出しています。

駅舎の中に入ると外観からは予想できない内装がされています。番組の改修工事の結果、待合室にステンドグラスや、ベンチの下に西洋風のタイルが取り付けられました。

光の入り方によって見え方が変わるステンドグラスにより美しく生まれ変わりました。

地元の小学生の絵が採用されたステンドグラスは、よくよく見ると銚子にちなんだ絵が描かれています。

ボロボロだった駅舎が改装され、今もなお保たれていることに地元愛を感じます。

・愛宕神社

観音駅と本銚子駅の間にある「愛宕神社」は古くから火伏せの神「火遇突智命」を祀る愛宕町の鎮守様でしたが、明治42年(1909)銚港神社に合祀され、浅間神社社殿に祀られていました。

しかしその後、神社再建の気運が高まり、昭和59年(1984)東京芝愛宕神社の分霊を勧請し、「火産霊神」を御祭神とし現在に至りました。

ひっそりと佇む神社ですが、大樹が周りを囲み独特な雰囲気を醸しています。

・後飯町公園

坂を登っていくと「御飯町公園(ごはんちょうこうえん)」が見えてきます。敷地横に交番があり、小さな子供でも安心して遊べる広場になっています。

何気ない公園に見えますが丘の上には線路が走っていて、タイミングが合えば銚子電鉄が走り抜けていきます。

笠上黒生駅エリア

・笠上黒生駅

前半戦、最後に訪れたのは「笠上黒生駅」

名前から特徴的な駅で、はじめて訪れた方はまず読めないかもしれません。

読み方は「かさがみくろはええき」、ゆるやかな一本道の奥に位置しています。

本銚子駅~笠上黒生駅:徒歩約14分・電鉄6分

駅舎はこれまたレトロ。

笠上黒生駅は別名「髪毛黒生」(かみのけくろはえ)と呼ばれ、髪に望みをかけた人々が訪れます。

線路を挟んだ駅舎もこじんまりとしていて風情があります。

ちょうどよく電鉄がやってきたのでホームに出てみると、思いがけない出会いがありました。

駅務室からゆったりとした足取りででてきたのは駅長犬の「ルビー」さん。

電鉄がやってくると降りてくる人を見守るかのように眺めています。つぶらな瞳とむっちりした体型がかわいらしく、地元の方々から声をかけられるなど愛されている様子。

まさに駅のアイドル的存在。

笠上黒生駅には猫駅長「チャップー」さんもいて、『広報銚子』の表紙を飾りました。

髪の毛に期待を込めて、かわいい駅長犬に会いに足を運びたくなる駅です。

歩いても楽しい銚子電鉄

銚子電鉄の各駅を歩いて巡る旅、前編いかがでしたか。

無人駅でもそれぞれに特徴があり、周辺には地元民から愛されるお店がたくさんありました。

後編では西海鹿島駅~外川をご紹介します。

それでは!

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