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銚子電鉄の各駅を歩いて巡る旅。周辺おすすめスポットもご紹介(西海鹿島駅~外川駅)

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千葉県銚子市を走るローカル鉄道「銚子電鉄」

銚子駅と外川駅の間を走る全長約6.4kmの短い路線で、昔ながらの漁師町の風景が残る外川駅まで約20分の電車旅が楽しめます。

今回は銚子電鉄すべての駅を歩き各駅の名所や観光スポットを巡ってみたので、ぜひ旅の参考になればうれしいです。後編では西海鹿島駅~終点・外川駅までの5駅をご紹介します。

それでは行ってみよー!

前編はこちら→銚子電鉄の各駅を歩いて巡る旅。周辺おすすめスポットもご紹介(銚子駅~笠上黒生駅)

西海鹿島駅エリア

・西海鹿島駅

笠上黒生駅のお隣「西海鹿島駅」は銚子電鉄のなかでも非常にこじんまりとしている無人駅です。

利用する人も少ないのか、あたりは民家とキャベツ畑のみでひっそりとしていて「これぞ無人駅…」といった雰囲気を醸し出しています。

笠上黒生駅~西海鹿島駅:徒歩約8分・電鉄1分

・手づくりパン工房 Ichiyu

駅のすぐ横にはクマが目印のかわいらしいパン屋さんがあります。営業日は金曜日土曜日のみ。

旅に来て地元密着型のスーパーやお店を見つけると、なんだかワクワクしてきませんか?その地域ならではの地の物が売られているのでフラッと寄ってみると、おもしろいものに出会えるかもしれません。

・銚子ポートタワー

笠上黒生駅から西海鹿島駅間は「銚子ポートタワー」やお土産屋さんが集まるエリア。

どちらの駅からも徒歩約25分ほどかかるので、のどかな風景を見ながら散策するのもよし、銚子駅からは市内交通バス(川口・ポートセンター行きバス)が利用できます。

銚子ポートタワーと犬吠エリアにある「地球の丸く見える丘展望台」にどちらも行くなら共通入館券がお得!2つの施設合わせて大人840円、小・中学生400円(どちらの入館料も大人420円 、小・中学生200円)→大人700円、小・中学生350円になります。

チケットは両方の受付から購入できます。

銚子ポートタワーは、全ガラス張り、ツインタワー構造の展望施設。
平成3年(1991年)6月23日にオープン、千葉県の「ふるさと千葉5ヶ年計画」の一環として建てられました。

エレベーターに乗り、4階の展望室まで上がると360度のパノラマ景色が見渡せます。眼下には銚子漁港、奥には太平洋の大海原などゆったりとした眺望が楽しめます。

「銚子CAN缶パーク」の撮影スポットを発見。

2施設(地球の丸く見える丘展望館、銚子ポートタワー)で、県内や全国の缶詰300種類以上を販売するお土産コーナーのキャラクターです。

2階の展示ホールでは展示会、イベント、催事などを開催しています。

銚子の歴史や文化に触れられるほかワークショップも行われています。

1階インフォメーションでは銚子や千葉にちなんだお土産が勢ぞろい。基本的なお土産はここでひと通り揃います。

・ウオッセ21

空中連絡橋を渡ってお隣「ウオッセ21」へ。

こちらは水産物即売センター、お土産屋さん、レストランが一体化した施設。

場所が少し不便なところにあるため、混雑することなく快適にお買い物が楽しめます。

→スポットの詳細はこちら

館内はAブロックとBブロックに分かれ、目の前の銚子港で水揚げされた魚や魚介の加工品が所狭しと販売されています。

買った商品は宅急便で送ることもできるので銚子の魚を遠方へも届けられます。

見るからに新鮮そうな魚がお得な値段で販売されています。さすがの漁港値段。

キッチン付きのコテージやペンションに泊まり、地魚を買い込んで料理するのも楽しそうです。

・嘉平屋みやげ物センター

ウオッセ21から歩くこと約12分、「嘉平屋みやげ物センター」にやってきました。

こちらは130年以上続く老舗の練製品専門店。所有している漁船「泉七五三丸」で獲れた新鮮な食材を厳選して使用した手づくりの磯あげ、はんぺん、かまぼこなどが購入できます。

5月ということもあり駐車場の空には大量の鯉のぼりが飛んでいました。

観光バスも停められる大型駐車場でバスツアーにも使用されるそうです。

店内では練り物のほかに銚子の海産物や加工品などが購入できます。

また奥にはお食事処も併設されていて休日には混雑するほどの人気ぶり。海鮮丼や大海老天丼など味と鮮度が抜群な海鮮ランチが味わえます。

嘉平屋の練り物で一番人気は「カレーボール」!老若男女好きな懐かしい味で1個70円というお手頃価格です。

小腹が空いたときやお酒のあてにも。創業当時から変わらぬ味と価格で愛されつづけています。

海鹿島駅エリア

・海鹿島駅

次の停車駅は「海鹿島駅」

こちらも無人駅ですが海の風を感じるような涼やかな駅舎が目を惹きます。

西海鹿島駅~海鹿島駅:徒歩約9分・電鉄1分

関東最東端とされる海鹿島駅。地名の由来は、かつてアシカやトドといった海獣が生息していたことによるもの。犬吠埼付近の小島である海鹿島海水浴場付近ではアシカも度々見られたそうです。

待合室は清潔に保たれていて、午後になると柔らかな日差しが入りこみ、ついウトウトしてしまう気持ちのよさ。無人駅ならではの情緒が感じられます。

・日本一ちっちゃな美術館

駅に併設されているのは、その名も「日本一ちっちゃな美術館」

明治・大正・昭和初期の海鹿島は、美しい景観と穏やかな気候により多くの文化人が保養に訪れたとされる地。海鹿島駅には国木田独歩竹下夢二の文学碑がたてられています。

美術館の館内は、2024年3月に運行終了した2000形2501号車両「大正ロマン電車」をイメージし、ステンドグラス風のガラス窓があしらわれています。

車内では海鹿島や文人に関する動画も流れ、海鹿島の歴史に触れられます。

営業時間は、土・日曜日、祝日の9:00~17:00

岡山県の「夢二郷土美術館」(公益財団法人両備文化振興財団)から寄贈された、竹久夢二の代表作『宵待草』の楽譜表紙絵も見られるので、ぜひ寄ってみてください。

君ヶ浜駅エリア

・君ヶ浜駅

お隣「君ヶ浜駅」から歩いてすぐの場所にある「君ヶ浜」は、日本一早い初日の出が見られるとして、新年の幕開けに多くの人が訪れる観光名所。

海鹿島駅~君ヶ浜駅:徒歩約20分・電鉄2分

こちらも無人駅ですが君ヶ浜が近いため利用客を見かけます。

待合室のすぐそばには、かつて「きみちゃん」の愛称で可愛がられていた猫駅長の石碑があります。

どっしりとした穏やかな性格の茶トラ猫で、猫駅長をみるために降りる人も多かったとか。石碑は今も綺麗に保たれていて大事にされていたことがよく分かります。

駅からキャベツ畑を横目に1本道を進んでいくと君ヶ浜にでます。森の小径はちょっとした冒険をしているかのようでワクワクします。

・君ヶ浜しおさい公園

徒歩5分ほどで「君ヶ浜しおさい公園」に到着。海に面した公園はランニングやわんちゃんのお散歩にもうってつけです。

奥に見えるのは銚子一の観光スポット「犬吠埼灯台」

君ヶ浜は、別名「関東舞子」の愛称で文人に親しまれ、平成8年(1996)にはその美しさから「日本の渚・百選」に選ばれました。

砂浜を歩いていると、”あの”危険生物を発見…!一見、風船のような見た目をしていますが正体は毒クラゲの「カツオノエボシ」

触手に強い毒を持つクダクラゲの一種で、刺されると電気ショックを受けたような痛みが広がり、2度目に刺されるとアナフィラキシーを起こしショック死することもある猛毒のクラゲです。

主に初夏から夏にかけて南風が強い時期に打ち上げられるそうなので、念のため素足では歩かない方がいいかもしれません。

・君ヶ浜ベイハウス

こちらは君ヶ浜に来たら寄りたいカフェレストラン「君ヶ浜ベイハウス」

海辺らしいブルーの外観が鮮やかな一軒家カフェです。

窓際の席は大きな窓から海が一望できる特等席。

平日は地元民の憩いの場となり穏やかな時間が流れていました。

たくさん歩いた体は糖分を欲していたので「ハニーウィンナーオレ」580円(税込)を注文。

ホイップクリーム+蜂蜜なので上部分は甘いですが、下のカフェオレがさっぱりしているので混ぜるとちょうどいい甘さになります。甘さがじわ~と体に染み渡る極上の一杯、たっぷり入っていて疲れが吹っ飛びます。

店内はログハウス調で木のぬくもりが心地よく、ずっと居たくなる居心地のよさ。

ランチはパスタやドリア、ピザ、ハンバーグなど本格的で、季節に合わせたパフェも人気だそうです。

テラス席はペット同伴可能。海風を感じながら、わんちゃんと一緒に気持ちのいいカフェタイムが過ごせますよ。

犬吠駅エリア

・犬吠埼灯台

カフェを後にし10分ほど歩くと見えてくる「犬吠埼灯台」は銚子のシンボル的存在

明治7年(1874年)、イギリス人技師ブラントンの設計でつくられた高さ約32メートルのレンガづくりの西洋式灯台で、99段のらせん階段を登ると太平洋の雄大な景色が広がります。

国の登録有形文化財、また国の重要文化財の登録がされています。

灯台下には君ヶ浜しおさい公園から歩いてきた道のりが広がります。「あんなところから歩いてきたのか…」としみじみ。

風が心地よく、晴れた日のここから見える眺めは気持ちがよく格別。灯台に登る前に足を止めてほしい景色です。

・犬吠テラステラス

平成30年(2018)にグランドオープンした「犬吠テラステラス」は雑貨店や土産物店だけでなく、カフェやレストランを併設している複合施設。

銚子の町には昔ながらのお店が多いですが、こちらはおしゃれスポットもあることから若者が集まり、銚子の新しい顔として名が知れました。

入り口付近の雑貨コーナーではハイセンスな工芸品やハンドメイド雑貨が購入できます。

風鈴や苔玉、アクセサリーなどユニークで思わず手に取ってみたくなる商品ばかりです。

奥には銚子の魚介類や加工品などのお土産コーナー、朝採れ野菜なども売っていて道の駅のような雰囲気です。

またベーカリーやカフェが2軒あり、お買い物ついでにほっと一息つける空間がつくられています。

2階に上がるとおもしろいものを発見。こちらは自由にくつろげるハンモックベンチで、漁業で使われるネットを使用したもの。漁師町ならではのアイディアが光る作品です。

目の前には海が広がる絶好のロケーション。ハンモックに寝そべりながらおしゃべり…旅の合間のデートスポットとしてもおすすめです。

・ドライブイン なぎさや

灯台付近には飲食店が3軒ほどありランチタイムにも◎

なんでも揃う新エリア、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

ひと休みした後は海を見下ろしながら散策。

余談ですが、灯台脇の高台から見える岩場は映画製作会社「東映」に採用されている、岩に白波が激しく打ち寄せる映像、正式には「荒磯に波」と呼ばれるオープニング映像に使われている場所です。

何気ない駅にも歴史があったり、何気なく見ている風景がロケ地であったりと、銚子は行けば行くほど魅力が湧いてくる街だなあと感じました。

・犬吠埼湧水

湧いてでてくる、といえば犬吠埼灯台から歩いて5分ほど。「銚子グランドホテル」へ下りる道のすぐそばに湧き水を発見。

この区域は私有地ですが湧き水の利用に限り、自由に出入りが許可されているのだとか。

すぐそばには金魚が泳ぐ小さな池がある粋な計らいも。

飲料水ということで飲んでみましたがびっくりするほど冷たく、いつも飲んでいる水よりも甘く感じました。

知らなければ辿り着かないような場所なのが、かえって特別感がありうれしく感じたスポットです。

・犬吠駅

湧き水を飲んでチャージ完了、つづいて向かったのは「犬吠駅」です。

この駅は、関東地方のJR・私鉄の駅の中で特徴のある駅として「関東の駅百選」にも選ばれました。

選定の決め手となったのが、こちらの駅舎の造りです。日本でも数少ない、ポルトガル風の宮殿式に白壁がマッチしている点が評価されたそうです。

君ヶ浜駅~犬吠駅:徒歩約20分・電鉄2分

タイミングよく電鉄が停車すると、駅舎の小窓から列車がのぞきます。海をイメージした駅舎がより映えて思わず写真を撮りたくなる光景に。

・たい焼き売店

そして前編で紹介した、観音駅のたい焼き屋さんは2017年6月からこの犬吠駅で販売されています。

また試行錯誤を重ね2021年にリニューアルオープン!

国産の安心安全な原材料を中心に厳選、レシピも改良を重ね一新し販売開始となりました。

味は「あんこ」と「クリーム」の2種類、1個150円(税込)。

このたい焼きを買いに降りる人も多いのだとか。

待合室にはお土産コーナーがあり、ぬれ煎餅、「まずい棒」など銚子名物がひと通り手に入ります。

待ち時間も苦にならない、銚子電鉄のなかでもエンタメ性高い有人駅です。

・イシガミ 犬吠店

犬吠駅から徒歩5分ほどの場所には、ぬれ煎餅屋さんの中でも人気が高い「イシガミ 犬吠店」があります。

イシガミは前編で記載した銚子駅前店のほか新生店(せんべい館)、犬吠店(せんべい工房)本社・工場の3店舗が市内に点在しています。

ぬれ煎餅といえばしょっぱいイメージがありますが、イシガミは他店よりも塩分が控えめで食べやすいので、初めてぬれ煎餅に挑戦する方におすすめです。

ぬれ煎餅は焼きたて熱々の時に、醤油を染み込ませる製法で作られるお煎餅。減塩醤油を使用している「うす味」も開発され、より食べやすくなりました。

ぬれ煎餅は1枚売りからなので気軽にその場で食べられます。

食べ比べパックや贈答用などもありお土産にもおすすめです。

おすすめはイシガミ名物の「ぬれてるマンボー(青のりの風味豊かな甘辛味噌味)」

昭和中期に、青のり生地に甘辛味を合わせた人気商品「みりん焼き」の復刻版で、香ばしく焼き上げたマンボウ型の生地に、とろみの強い味噌ダレをつけているため、シャリシャリ感の残るぬれ煎餅に仕上がっています。普通のぬれ煎餅よりもマイルドで食感がなんともおもしろい一枚。

ぜひ、いろいろな味を食べ比べしてみてください。

・満願寺

イシガミから坂を上り6分ほど。犬吠駅エリアで、ひときわ存在感を放つ「満願寺」にやってきました。

愛宕山東側の中腹に、昭和51年(1976)に開創されたお寺で第27番圓福寺本尊十一面観世音の写しの尊像を奉安し、坂東札所めぐりの巡礼が中心になり開創されました。

初日の出を拝める寺として知られ、12月末~3月までは境内に植えられている6,000本の椿が咲き誇ることにより椿寺としても親しまれています。

祀られている「ご本尊十一面観音」は「一願観音」とも知られ、その年の一番大きな願いを叶えてくれるのだとか。

また、境内の満願堂には西国、坂東、秩父、四国の188ヶ所のご本尊を祀っており、満願寺に参拝すると189カ所のお寺をお参りしたのと同じご利益があると言われています。

境内にはヤマサ醬油とヒゲタ醬油からも醤油が奉納されています。

敷地が広大で絵になるような美しい満願寺、ぜひご参拝ください。

満願寺の脇にある坂を登っていくと、キャベツ畑の後方に太平洋が望めます。見晴らしがよく銚子らしい町並みに心が落ち着きます。

・地球の丸く見える丘展望台

満願寺から歩いて10分ほど「地球の丸く見える丘展望台」にやってきました。

先ほどの共通入館券を使って館内に入ります。

共通入館券(銚子ポートタワー・地球の丸く見える丘展望台):大人700円、小・中学生350円

地球の丸く見える丘展望館は、北総地区(千葉県北東部)で一番高い愛宕山の頂上に位置しています。

屋上の展望スペースから見える風景は360度中330度が水平線の大パノラマで、その名の通り地球が丸いことを実感できる施設になっています。

天気のいい日には富士山や筑波山が見えることも。また、”東洋のドーバー”とも言われている屏風ケ浦や風力発電風車が望めます。

お土産コーナーは充実のラインナップ。

銚子ポートタワー同様、全国の缶詰が集まる「銚子CAN缶パーク」が設置されています。

風が吹き抜ける気持ちのいい展望台へ。

・風のアトリエ

地球の丸く見える丘展望台のすぐそばには、まるで絵本から飛び出てきたかのようなお店があります。

「風のアトリエ」は雄大な丘にそびえたつ、レンガ造りの一軒家レストラン。

パスタ、お肉、お魚をそれぞれメインにした4つの選べるランチコースは、1,000円台~で新鮮野菜や食材にこだわったお料理が味わえると人気です。

一面ガラス張りの店内からは食事を楽しみながらお庭や海が眺められます。席数は50席、カウンター席も用意されていて広々とした間取りです。

お庭にはペットのヤギさん。人懐っこく触らせてもらえます。

ロケーション抜群な風のアトリエは、11:00~18:00(平日16:00)の通し営業なのでカフェタイムにも訪れやすいレストランです。

外川駅

・屛風ヶ浦

風のアトリエから坂道を下っていき、銚子電鉄の最終駅「外川駅」エリアへ。

外川の観光地といえば「屛風ヶ浦」!

銚子市名洗町から旭市の刑部岬まで約10㎞にわたり40m~50mの断崖が続きます。
地面が切り取られたかのような切り立った断崖が続くさまは、英仏海峡のドーバーの「白い壁」にも見えることから”東洋のドーバー”とも呼ばれています。

屛風ヶ浦は遠くからでもその姿を確認できますが、外川に来たのなら少し足をのばして最東端へ。

隣接する「銚子マリーナ海水浴場」から続く遊歩道沿いでは、その雄大な姿を間近に見られます。

屛風ヶ浦は海の波によって削られた崖で、ぽっかりと空いている穴は波で削られているものと人工的に掘られたものがあります。崖下にあるものは自然物ですが、中ほどにある形が整ったものは人工的な穴だそう。

最東端から外川エリアはお散歩にぴったりの気持ちがいい遊歩道がつづきます。海を眺めつつ、のんびりと外川方面へ向かいます。

・世界一ちっちゃな水族館

銚子マリーナ付近にある「世界一ちっちゃな水族館」は「銚子海洋研究所」の一角にある19坪ほどの小さな水族館。クラゲをはじめ、銚子の海で採集した生き物が展示されています。ヒトデやナマコ、ヤドカリといった磯の生き物に触れるタッチプールも設置されています。

また銚子海洋研究所では一年を通してイルカ・クジラウオッチングが開催されています。時期によって見られる種類はさまざま。

自然界の生き物なので見られればラッキー、見られなくても大海原を船で回遊できる機会はなかなかないので一度は体験したいイベントです。詳しくはHPをご覧ください。

入館料:大人(中学生以上)300円、小人(小学生)200円

・見晴

水族館から歩くこと20分、このあたりから飲食店が増えてきます。

やってきたのは地元の方におすすめされた「見晴」、外川駅から少し離れた場所にあるので、観光客というよりかは地元の皆さんが訪れる地域密着型の定食屋さんです。

店内はカウンター席、テーブル席、座敷があり広々。ゆったりと足をのばせる、旅の終盤にぴったりなお店です。

いちおしメニューは「みはらし定食」!お刺身盛り合わせ、揚げ物又は煮物、小鉢、ご飯、お新香がつく豪華なメニューです。

結果からお伝えすると、「何を食べても素晴らしくうまい」です。そして、お値段がなんと1,100円(税込)。このご時世にこのクオリティで…と驚きが隠せません。

お刺身はメカジキ、マダイ、赤エビ、イカなど。

写真左下にある四角いお刺身がソデイカ。これが今まで食べたイカの概念とかけ離れたおいしさで、正直、イカと言われなければ分からなかったかもしれません…。コリっとした食感とねっとりした舌触りで、少し炙ってあるのか香ばしさも感じます。

ほかのお刺身ももちろん美味、エビフライは2尾もついていて揚げたてサクサク。ご飯は千葉県産のお米がちょうどよい固さで炊きあがっていて、小鉢までご飯に合うのであっという間に無くなってしまいます。

漁師町といえど、ここまでのクオリティでこの安さは銚子のなかでもトップクラスではないかと感じました。

外川に来た際は必ず立ち寄りたい定食屋さんです。

・千騎ケ岩

見晴のすぐ後ろでは「千騎ケ岩」が見られます。

源義経が千騎の兵をもって立てこもったという伝説からこの名がつきましたが、実際のところ根拠がなく、義経に対する思いの強さと銚子と東北(義経伝説の本家)間で船の往来が増えるにつれ、段々と作られていった話なのでは…という説が強くなっています。

数メートル上にある穴は海の波によって削られたもの。千騎ケ岩の巨大な岩体はかつては島でしたが、現在は堤防ができグルっと見学することができます。

条件がよければ雲の切れ間から光が差す”雲のカーテン”が見られることも。密かな撮影スポットでもあります。

・外川の町並み

海沿いを歩き外川にやってきました。屛風ヶ浦の最東端からは徒歩で30分ほど。

外川の町並みは特徴的で、碁盤の目のように重なり合う道には何本もの坂道があります。この坂はかつてイワシを砂浜に運ぶために使われていたのだとか。漁船の出入り口を確認できるよう、すべての坂道から漁港が見下ろせるようになっています。

建物の老朽化や整備により新築の家も建てられていますが、町並みが大きく変わることはなく今もなお漁師町の風情を感じさせます。

・外川駅

旅の終着駅「外川駅」にたどり着きました。

一見、ただの昔ながらの駅舎と思うかもしれませんが、数多くの人気ドラマ・映画の撮影に使われている駅でもあります。連続テレビ小説「澪つくり」(NHK/1985年)や、ラスト・フレンズ(フジテレビ/2008年)の最終回に使用されたなど、聖地巡礼として多くの観光客が訪れます。

犬吠駅~外川駅:徒歩約15分・電鉄3分

最近の外川駅は昔に比べると内部も変わり、切符売り場の横に、日中時間帯のみ営業している売店が設置されました。

地元で採れたいわし・さばの缶詰めや、銚子名物濡れせんべいも売られていて、ちょっとした待ち時間にうれしいお店です。

切符は車内で待っていると車掌さんが回りにきてくれます。これもローカル線ならではの光景。

銚子ー外川までは350円。銚子電鉄に何回も乗るのであれば、弧廻手形(1日乗車券)大人700円、小児350円がお得。何回でも自由に乗降可能で、さらに各施設の割引やうれしいサービスが受けられます。

海だけじゃない、魅力あふれる銚子散策へ

後編では西海鹿島駅から外川駅の周辺スポットをご紹介しました。電鉄後半の駅からは「銚子ポートタワー」をはじめとした有名観光地が多く集まっています。

銚子電鉄は30分~1時間に1本間隔。乗り継ぎがうまくいかないときは、ぜひ1駅分歩いてみてください。思わぬ発見や出会いがあるかもしれませんよ。

銚子は古き良き町並みや文化に新しいものが続々と誕生している、目が離せないおもしろいエリアです。

チーバ君の耳の先端に位置し、やや行きにくいイメージがありますが、日帰りでも十分楽しめるのでぜひ足をのばしてみてくださいね。

それでは!

前編はこちら→

銚子電鉄の各駅を歩いて巡る旅。周辺おすすめスポットもご紹介(銚子駅~笠上黒生駅)

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