孝女・おせんの身投げ供養塔(おせんころがし地蔵尊)

孝女・おせんの身投げ供養塔(おせんころがし地蔵尊)

千葉県勝浦市の「おせんころがし」は、高さ約20メートル、全長4キロメートルにわたる断崖絶壁が続く景勝地で、太平洋を望む絶景スポットとして知られています。 この地名は、領民の苦しみに心を痛めた豪族の娘・お仙が、父の非道を諫めるため自ら命を絶ったという伝説に由来し、崖上には「孝女お仙之碑」が建てられています。 自然の美しさと歴史的背景が融合した、訪れる人々に深い感慨を与えるスポットです。

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電話のアイコン 0470-76-0800

概要

厳しく切ない伝説が伝わる、断崖に佇む慰霊の地

千葉県勝浦市大沢、太平洋を望む約4kmにわたる断崖絶壁に位置する「おせんころがし」は、孝行娘・お仙の悲話が語り継がれている場所です。崖の上には「孝女お仙之碑」と地蔵尊が安置され、訪れる人々に深い余韻を残します。

伝説が紡ぐ、古の娘の物語

伝承によれば、豪族・古仙家の娘お仙は、父親が課す重税に苦しむ村人のため身を案じ、年貢の軽減を説きました。ある日、人々が父親を崖から突き落とそうとする計画を知ったお仙は、身代わりとなって断崖から投じられたといいます。翌朝、父親ではなく、着物を身にまとったお仙の遺体が崖下で見つかり、人々は深く悲しみ、ここに供養塔を建てました。

この他、薬草採取中の事故説や、後妻によるいじめにより突き落とされたという異なる説もあり、いくつもの悲話が語り継がれています。

明治以降の実話も重なる悲劇の地

戦後まもない昭和26年には、実際に母子がこの崖から命を奪われる凄惨な事件が発生しました。この事件が後に「おせんころがし事件」と呼ばれ、地縁と結びついて心霊スポットとして名高くなった背景があります。

絶景と慰霊が重なる断崖

崖上から望む太平洋の眺望は圧巻です。波音を背に、供養塔の前に立つと、その景色が慰霊と鎮魂の場としての厳粛な雰囲気を増します。かつて崖沿いを通っていた旧道や草深い登り道の名残を感じながら、訪れる人は自然の雄大さと伝説の重さを同時に感じるでしょう。

【案内情報】

項目内容
所在地千葉県勝浦市大沢(断崖上/孝女お仙之碑そば)
アクセスJR外房線・行川アイランド駅から徒歩約10分。または勝浦駅から車やバスでアクセス可能
駐車場国道128号付近の路肩駐車など(明示駐車場なし)
注意点崖際は柵のない箇所あり。足元注意。旧道や断崖沿いの散策は慎重に。
心霊評価地域では心霊スポットとして語られることもあり、夜間の訪問は控えてください

こんな方におすすめ

  • 伝説や古典的な悲話に触れたい歴史愛好家
  • 凛とした海景とともに「ものがたり」を感じたい写真家
  • 歴史と自然、そして少しの哀しさを併せ持つ場を訪れたい旅人
  • 心静かに慰霊しながら、海の風景を深く味わいたい方

「おせんころがし」は、眺望と悲話が織り成す“慰霊の風景”です。断崖の上で海を眺めながら、孝行と犠牲の物語に思いを馳せてみてください。表情豊かな太平洋を相手に、静かに祈り、心を沈める時間をここで見つけられることでしょう。

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